カネマツコラム(第10回)
カネマツコラム長年福祉に携わってきた金松敏信先生の”ふとした気づき”をお届けしています♪
「君たちはどう生きるか」
2024年3月アカデミー賞を受賞したアニメ作品で有名な、この表題は全ての人の問題であると思います。
今回は、答えのないテーマにしました。
私自身が高齢になったお陰で、高齢者が一人または家族と生きる「老い」に関する書籍を多く読みます。
若い頃、哲学や心理学に興味が持ち、どうしようもない事を考えたりしました。
私は、一体何の為に生存しているのか考え、私は生きる事に意味がないのではないかと、思春期には随分悩み、生きる意味を求めながら生きてきました。
生きる意味や目標は人それぞれです。
社会に出てより良く生きるために色々な選択肢の中から、職業や進路を決めなければなりません。
私は、思春期に考えた理想とは全く違った今を生きています。
あの頃は、中米やアフリカの最貧国の子供達への教育活動で彼らが学習の機会を得、夢を持ち、その実現の為に努力して社会的・精神的に自立することの手伝いをしたいと思っていました。
現在の私は、今の環境を受け入れて、さらにより良く生きるように「命あること」に感謝しつつ生活しています。まさに「今を精一杯生きる」ように努めています。
さて、福祉施設に勤めている方は、何のために今の職業を選び、仕事に打ち込み、人間としての教養を深め、仕事に精を出しているのでしょうか。
職員は利用者から学ぶ姿勢が大切です。
サービスの押しつけは、利用者を尊重した支援ではありません。利用者から学ぶ姿勢がなければ、利用者はあなたを信頼しません。相手から学ぶ意識がない職員は、福祉職員としても成長しません。信頼関係を構築できないあなたに利用者は心を開きません。自分の価値観は、相手には通用しません。相手に学ぶ気持ちがなければ、相手の本当の気持ちを把握できないのです。
全ての人は、存在そのものに価値があることを、福祉に関わって解るようになりました。
「教え込もうとすればするほど、相手は逃げる」のです。
ご利用者やご家族に安心感を感じて頂ける福祉職員になりましょう。
~紹介~
金松敏信
障害児者施設で指導員として30年勤務した後、2015年まで長崎女子短期大学教授として学生を指導。
現在、長崎介護実践研究所代表として福祉に関わる人々を支える活動を行っている。
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投稿日時|2024年11月7日14時05分