人材定着・職場づくりの基本 研修会レポート

研修・講座

本会が令和6年7月に主催した『人材定着・職場づくりの基本 研修会(講師:池元正美氏)』の講義には、組織づくりのヒントがたくさん散りばめられていました。
この研修の運営担当者が感じたポイントをレポートします。

求職者は求人情報そのものを懐疑的に見る傾向がある

  • 求人情報が常に出ている
    →「人が全然集まらないブラックな職場かも?」
  • 待遇がしっかり提示されているが信用できない
    →「本当に『残業なし』ですか?」
  • 面接が簡単すぎる
    →「とにかく誰でもいいような…」

求人情報と実態の差がないように、そして採用活動に対する本気度が見えるように、工夫が必要。

職員の心理

満たされないと不満を抱くもの

〔賃金〕〔福利厚生〕〔年休などの就業規則〕

満たされて当然という意識なので、ここでアピールしてもモチベーションアップにはつながりにくい。

満たされると満足度アップ,達成感を持つもの

〔目標による管理〕〔キャリア開発〕〔個別管理〕

「目標が達成できてキャリアアップにつながった!」
「わたしのことを考えてくれて評価してくれた!」

なりたい自分に近づいている実感があれば、それは職務満足につながる。

一人一人の『自立度』を見ながら関わり方を変えていく

仕事を行ううえでの個人の自立度は、年齢や経験年数だけでは測れない。見極めが必要。

経験が浅い/大人の判断ができないなどの自立度が低い職員に対しては、まず「具体的で」「細かく分けた業務を」テンポよくやってもらう。
(特に若い世代は「正解を教えて欲しい」という欲求が強い)

これを繰り返すことで、自分で考える素地ができていくので、段々と「抽象的な」「ざっくりとした大きな」指示に切り替えて、自立して動ける職員へ育てていく。

面談・承認は「短時間で」「頻繁に」「まんべんなく」

個別面談はやった方がいいと分かっていても時間が取れないことが多い。
であれば、3分くらいの短い声かけを頻繁に全スタッフまんべんなくやってみる。
そうしていくことで、小さな変化に気づきやすくなる。

よい変化の時は仕事ぶりを承認(評価)することで、本人の充実感にもつながる。
もちろん、時間をしっかり確保した面談も組み合わせると効果が高い。

「生産性を上げる」の意味

生産性向上と聞くと、どうしても「効率化」「省力化」が頭に浮かんでくるが、生産性を上げるということは、「一人一人が持っている能力を十分に発揮する」ということが基本にあるのではないか。

不得手な部分の改善より、得意な部分を活かしてもらうように促す方が効果は上がりやすい。

多様化する価値観への対応

職員と関わる際に「会社側の考え」と「個人の(仕事も含めた)人生についての考え」を両方意識していますか?

個人には会社の考えを伝え、会社も個人の考え・希望を聞く。
合致している部分、合わない部分を互いに理解したうえで、個人の仕事人生を一緒に考えていく。

「仕事」と「個人のライフプランや家庭状況」がどこかで接続していないと、働き続けるのが困難になる。



研修当日は、講義および受講者からの問いや課題にコメントする形で、このレポートには収まらない多くのポイントを語っていただきました。
池元先生、ありがとうございました。


講師 池元正美氏からのメッセージ

この研修では、働くうえでのモチベーションや価値観について、相互理解を深めるための取り組み方をお伝えしました。

個々の能力が発揮できる環境づくりにつながればありがたいです。


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投稿日時|2024年8月28日10時32分