育てよう、地域のちから!市民後見人<拡充版>

スポットライト

成年後見制度と市民後見人

「成年後見制度」とは、認知症や知的障害、精神障害等により判断能力が不十分な方の権利を守る支援者 (成年後見人等)を選び、本人に代わって預貯金の管理や福祉サービスの契約などを行ったり、悪質商法の被害から守るなど、法律的に支援する制度です。
支援の担い手には、本人の親族や、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職がいますが、近年の需要の増加に伴い、地域によってはその担い手が不足している課題もあります。そのような中で、成年後見人等の担い手として期待されるのが「市民後見人」。成年後見人等として必要な知識を得た一般市民の中から、家庭裁判所が成年後見人等として選任した方を言います。

住み慣れた街で「本人らしい生活」を支える支援者

市民後見人は財産管理や身上保護を通じて、被後見人の地域生活を支えますが、その最大の強みは「市民ならではの感性」と「地域の理解」です。                                                          弁護士や司法書士などの専門職による法律的なサポートとは異なり、同じ地域に暮らす住民として「本人と同じ目線」で考え、本人の意思を丁寧に汲み取りながら、きめ細やかな支援を行える「地域のちから」としての市民後見人の活躍が期待されています。 

市民後見人になるには

資格は不要ですが、市民後見人候補者養成研修のカリキュラム全てを受講し、実務に必要な知識や技術を習得していただく必要があります。研修を受けることで福祉や法律の仕組み等を学ぶことができ、多くの方が未経験からスタートされています。 
受講者は現役でお仕事を持たれている方から、引退された方まで、年齢や職種はさまざまです。多様な視点をもつ受講者同士で学びを深められるのもこの研修の大きな魅力です。

この市民後見人候補者養成研修は、各自治体や中核機関※で開催されており、長崎県社協では、令和元年度からこれまでに県内の17市町と一緒に開催に取り組んできました。令和8年度も引き続き各地域での開催を予定しています。                                                           ※中核機関:地域における権利擁護の相談窓口
注:養成研修は受講修了により家庭裁判所から成年後見人等として選任されることを保証するものではありません。

開催地実績

過年度実績

令和8年度長崎県社協主催の開催について

開催地

佐世保市、島原市、平戸市、松浦市、対馬市、壱岐市、雲仙市、時津町、東彼杵町、波佐見町、小値賀町   計11市町

開催日程

■基礎編1日目

令和8年9月8日(火)

■基礎編2日目

令和8年9月15日(火)

■基礎編3日目

令和8年9月29日(火)

■基礎編4日目

令和8年10月6日(火)

■基礎編5日目

令和8年10月13日(火)

■基礎編6日目

令和8年10月20日(火)

カリキュラム

令和8年度研修の詳細は、決まり次第ながさきのふくしTimeLineの「生活支援・権利擁護」に
掲載します。皆様のご参加お待ちしております!!

養成研修修了者の声

松浦市 大久保さん  

Q1 研修受講のきっかけ

松浦市長寿介護課に在籍していたのがきっかけです。
これまで多くの高齢者の方々とかかわってきました。退職後も何かお手伝いできることがないかと思い、市民後見人候補者養成研修を受講しました。 

Q2 受講しての感想 

身近な人が当事者の声を引き出し、その思いに寄り添い、実行に移してあげられるなら、こんないいことはないと思います。
ただ、一方で、身近な市民後見人だからこそ、地域や家族の声に惑わされる心配もあり、単独での活動には不安があります。 

Q3 今後に向けて

松浦市は弁護士不在、専門職も限られており、そのため、市民後見人の存在は大きいと思います。
しかし、専門職と違って十分に知識がないことから、単独での活動には不安が大きく、第一歩としては、専門職や法人後見人と一緒に活動できたらいいなと思いますし、市民後見人の働き方について指針があればいいなと思います。 
研修でいろいろな方々と一緒になります。みなさんとても意識が高いです。
今後、市民後見人としてともに活動できる日を楽しみにしています。 

もっと身近に、もっと柔軟に                                      ライフステージに合わせて見直せる成年後見制度へ

現在、成年後見制度を根本から見直す動きが進んでいます。「一度始めたらやめられない」イメージの強い制度でしたが、本人の意思を尊重し、必要な期間や支援の範囲を限定して利用ができるなど、柔軟な制度へと変えていくことが予定されています。

県内どこに住んでいても、権利擁護支援を必要とする人が尊厳ある本人らしい生活を継続し、地域で安心して生活できるよう、市町間の取り組みの偏りを解消し、成年後見制度の利用促進に向けた体制整備を県域で進めていく必要があります。 

長崎県社協は、令和6年度から「長崎県権利擁護センター」を県より受託設置し、地域連携ネットワークづくりを進めており、中核機関等の設置と機能充実の支援を行っています。 

その中で力を入れて行っていることの一つとして、法人後見事業実施法人の育成も行っています。県内で法人後見事業が整備されている市町は14/21市町で、法人後見を実施しているのは15法人。その全てが社会福祉法人で、うち1法人は社協以外の社会福祉法人です。今後は、実施する社会福祉法人の育成支援を強化し、複数の社会福祉法人が連携して利益相反等の観点に十分留意しながら後見事業を行う仕組みの検討、実施の支援を長崎県社会福祉法人経営者協議会等と連携しながら行っていきたいと考えています。 

これからも“地域のちから”市民後見人の養成とその活躍に向けた支援と、社会福祉法人による法人後見事業実施法人の育成支援を行いながら、新たな権利擁護支援体系を構築していきます。 

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投稿日時|2026年6月1日8時00分